さっきの部屋とは正反対の、散らかった部屋だった。 本棚には漫画が並び、上着が放り出されている。 俺が部屋全体を眺めまわしている間、啓太はずっと一点を見ていた。 俺は啓太に近付き、啓太が見つめる先を探した。 写真立てに飾られた一枚の写真。 そして、見覚えのある卒業アルバム。 「これが事実だよ」 その写真に写っていたのは、高校の卒業式の日の啓太と定と俺だった。