「あのな、寿々歌。よく聞いてほしい。そのだな、つまり、俺がもし、カ、カレーライスだとしたら、も、もしだぞ? そしたら、この俺にとって寿々歌は、カレーに、あの、必要不可欠である、ふっ、福神漬けであり………っ?」

きょとんとした顔で俺を見つめる寿々歌。
それも仕方ない。
――何を言ってるんだ俺は。

「あ、お昼カレーがいいなら今から……」

寿々歌は完全に勘違いしている。
肝心なことを伝えられてないじゃないか。
伝えたいことをちゃんと、寿々歌に伝えなくては。

「待て、寿々歌」

冷蔵庫の扉に伸ばされた寿々歌の腕を握った。