なんでわざわざ家まで送って行ってくれるんだろう?


具合が悪い訳じゃないのに。


疑問も嫌な予感も充分すぎて、いくら車で帰れると言っても素直に喜べなかった。



「え、まぢ!?沖田先生と帰れるなんてうらやましいなぁー」


「…そうかなぁ。先生と二人きりなんて何を話せばいいか戸惑っちゃわない?」


クラスに戻って事の行き先を友達の『藤咲ゆず』に話すと予想外の言葉をかけられたのでびっくりした。



「あたしは全然!」



……勇者だ。


にかっと爽快に笑うゆず。

私は彼女の社交性を羨ましく思った。