「イイ男いるかもよ?」 「披露宴に?」 友人の結婚式を祝いにいくのにそこで男探しはさすがにねぇ。 アタシはアリエナイ、とだけ顔に出した。 「それとも、…ジョージがまだ忘れられない?」 その質問にアタシは顔を杏子の方へ向けた。 「…まさか。あれは幻だったのよ」 現にそれからジョージは本当にアタシの前から消えたし、その後の消息も全くわからない。 もうこうなったら幻と思うことしか出来なかった。 「幻ねぇ…」 それでも尚、あの男はアタシの心に深く入り込んだまま一向に忘れられる気配がない。