「涼子か。うん、イイ名前」


ニッコリ、喩えるならば太陽のような笑顔でアタシを見上げてくる男、もといジョージ。


ああ、今一瞬この笑顔に流されかけた気がする。


ドコにって?


そりゃあアタシの大っ嫌いなメルヘンの世界に。


「涼子、お願いがあるんだけど」


いきなり呼び捨てかよ。
しかもこういうお願いというのは必ず面倒くさいって決まってる。


今までの人生経験からして。