翌日、目を覚ますといつも聞こえてくる包丁の音と料理のいい匂いはしなかった。


リビングの扉を開けると昨日はテーブルに所狭しと置かれていた食べかけの料理と同じく食べかけのケーキはなく、綺麗に掃除されたリビングだけがあった。


「ジョージ…?」


ジョージの部屋を覗いても何一つ残っていない。あるのはジョージが使っていた布団だけ。




「なんで…?」




何の言葉も置き手紙もナシにアタシの前から姿を消した。