「一日中待ってたんだぞ?」
まだ言うか!自分からいなくなっておいて。
「アタシもう忘れようとしてたから」
相手にもすぐバレるような大嘘をつく。
「ヒドいな〜涼子は。オレはこんなの描く程涼子に逢いたかったのに」
そう言いながら大きな袋から何かを出すジョージ。
そしてそれをアタシに渡してくれた。
「…コレ」
アタシに手渡されたモノは綺麗な額縁に入れられた一枚の絵だった。
そこにはジョージが描くはずのない絵が描かれていた。
風景画が専門って書いてたくせにこんなに素敵で暖かい絵を描くのは反則だ。
こんなのを貰って嬉しくない女なんていない。
だってそれは、
アタシの絵なんだから。

