リビングでブランデーを傾けているレイは、同じく琥珀色の液体を楽しむベリルに視線を送る。

「最近、アザムは何か考えているようでね」

「あの歳ならば将来のことを考えるのは当然だろう」

「それはそうなのですが……その」

「相談を持ちかけられていない事が歯がゆいか」

「!」

 言い出しにくそうにしていたレイの感情を察するように応え、小さく笑んでグラスを傾ける。