アザムはそれになんとなくホッとして、同様に笑顔を浮かべる。

「ゆっくりしていけるんでしょ?」

「うむ」

「だったら料理教えてよ」

 その言葉に怪訝な表情を浮かべた。

「どうも僕たち料理が苦手で……」

 苦笑いで見合ったアザムとレイを一瞥し、小さく溜息を漏らす。

「材料を見せろ」

 そう言ってキッチンに向かった。

 一般的なダイニングに、白い冷蔵庫が同じ白の食器棚の隣に設置されている。

「何を作るつもりだったのだ」

 開いた冷蔵庫に眉をひそめた。

「え、特には何も……」

 いつも適当に買って適当に作っている事がバレる中身に、アザムは変な照れ笑いが浮かぶ。