「……解りました」

<すまない>

 携帯を少年に返した。

「ええっ!? やだよ! ベリルに会うんだ! ……ってちょっと父ちゃん! 切りやがった」

 舌打ちして携帯を見つめる。

「レイには僕から話すから、お父さんが迎えに来るまで我慢して」

「? 誰それ」

「僕の父だよ」

「ふうん」

 さして関心もなく応え、部屋の中を改めて見回した。