「ターゲットの確認」

<まだ確認出来ない>

 ベリルはそれに苦い表情を浮かべ、アザムを一瞥した。

 レイの身柄はある程度、安全だとしていても戦闘が長く続けばそれも危うい。

「プランBに移行」

 エメラルドの瞳を細め、しばらく思案してゆっくり口を開いた。

「!」

 言葉の意味は解らなかったが、側にいた仲間の顔つきが険しくなった事にアザムは気か付いてベリルに目を移す。

 無表情に見えたその瞳に見え隠れしているのは──

「……っだめだよ!」

 無意識に彼に駆け寄り、しがみついていた。