3人の大人がぴったり僕たちの側にいる。

 話し合った訳でもないのに、この人たちは自然にベリルの意思を読み取っているんだ。

<相手の動きが鈍い。これならすぐに制圧出来るぞ>

「油断はするな」

 裏口から侵入したチームの通信に、ベリルは左耳を押さえ念を押す。

 そして仲間からライフルを受け取り、未だ発砲してくる相手に照準を合わせた。

「……」

 狙いを定めている表情に見ているアザムにも緊張が伝わってくる。

 引鉄(ひきがね)を引いたと確認して向こうに視線を移すと、すでに1人が倒れていた。

 致命傷という訳でもなさそうで、急いで影に隠れている。