前後のチームに別れて待機していたベリルたちは、監視を同時に狙撃して突入した。

 倉庫の内外にはコンテナなどが乱雑に放置されていて、それを盾に銃撃戦を繰り広げる。

「ひ、ひえぇ~」

 ビクビクしながら周りをキョロキョロしている少年にアザムは小さく笑った。

 少年の恐怖はよく解る。

 得体の知れない音と空気は、たちどころに恐怖心を煽っていく。

 サムに武器を持たせてはいけない事をやはり彼は見抜いていた、こんな状態では味方にも攻撃しかねない。

 そして、今の状況にアザムはようやく気がついた──こちらにいる仲間の人たちが守っているのは自分たちなのだと。