だが、ベリルという人物は信頼できる者だと確信している。

 アザムだけでなく私やティーロまでをも救ってくれ今でも時折、様子を見に来てくれる彼に返しきれない恩がある。

「私には私の力……」

 そうだ、ここで負けてはいけない。

 まだ何も決まった訳じゃないんだ、彼がこのことに気づかないハズがない。

 助けが来るまで騒がず、体力を温存させなければ……

「!」

 そのとき、目の前にいる何人かの動きがおかしい事に気がつく。

「?」

 怪我でもしているのか?

 医師であるレイは、男数人の動きに怪訝な表情を浮かべた。