<名前を聞いて、すぐにどの件に関与していたのかは解ったが……サムは大人しく言うことを聞いてくれそうにないね>

「ええ、そのようです」

 苦笑いを浮かべ少年を見やる。

<迎えに行きたいのだが、それまで預かっていてくれるかい?>

「構いませんが……いつになりますか」

<今ちょっと仕事が立て込んでて……行けるのは4日後くらいになる>

 それに少し眉をひそめた。

 ハイスクールも夏休みに入っていて、時間があるといえばあるけど……と考える。

 17歳になったアザムは、成績も優秀で夏休みの宿題もまだ始まったばかりだというのにすでに6割りほどは終えていた。

 しかし、彼がそうするのには訳がある。