ナイトメア・ホルスター

「わ、私をどうしようというんだ」

 恐怖心の見え隠れする声での問いかけに、1人の男がレイを見下ろす。

「解っていて訊くのか?」

 発した男の言葉は英語だが、独特のなまりが感じられた。

 硬い黒髪は少しカールしていて、彫りの深い顔立ちに深い青色の瞳がレイを捉えて離さない。

「お前はあのウイルスに携わっていた者だ。これからゆっくりと思い出してもらう」

 別の場所でな……と言い残し離れていく。

「……っ」

 やはりあのウイルスをまた造り出そうというのか!?

 例え殺されても協力などするものか。

 そう思って、すぐ表情を曇らせる。