ナイトメア・ホルスター

 自分がしてしまった事を考えると、どんな罰を与えられてもおかしくはなかった……それなのに、ベリルは「少年を養う事で償え」とレイに言い放った。

 一度裏切った相手を育てろというのは、彼にとって最も辛く残酷な言葉だったかもしれない。

 しかし、本当に償うべき相手に償えるのだと思えば受け入れざるを得ない。

 レイが拒否すれば少年は国に強制送還されるかもしれなかった。

 その時の彼には妻も子も恋人すらもいなかったが、突然の子持ちとなってもさほどの動揺はなかった。

 唯一の不安は少年との距離感──どう接すればその距離感を縮める事が出来るのかが解らずに戸惑う毎日だった。

 それでも一歩、また一歩と親子に近づいていたのだ。

 今更、またあの頃に引き戻されるのはまっぴらだ……