ナイトメア・ホルスター

「なんでそんなのわかんだよっ!」

「自分のコトって意外と自分では解らないものなんだ」

「!」

「本当は僕の武器も取り上げたいんだと思う」

「じゃあ、なんでそうしないんだよ」

「僕は責任を負わなきゃいけない歳だからだよ」

 少年は怪訝な顔でアザムを見上げる。

 アザムの表情はにこやかだが、どこか愁いを帯びていた。

 まだ理解できない少年も、いずれは気づく事になるのだろう……今はどう説明していいかも解らない。