「?」

 透明の袋に入れられていた布を取り出して広げると、それはインナーだった。
「中に着ろ」

「こんな薄っぺらいの役に立つの?」

 サムの問いかけに、ベリルは腕を組んで笑みを見せる。

「特殊な繊維で作られている。よほどでない限り衝撃はあるものの致命傷にはならん」

「衝撃……気絶するくらいの?」とアザム。

「それくらいは我慢しろ」

「! 気絶しちゃうの!?」

「胴体への直撃はその可能性がある」

「……」

 少年は目を丸くして黒いインナーを見つめた。