ナイトメア・ホルスター

「サムは来ないのかい?」

「行くわけねぇだろ」

「意思は変わらないか」

 ベリルの問いかけに小さく笑んで目を伏せる。

「うん。怖くないと言ったらウソになるけど……確かめたいこともあるんだ」

「そうか」

「オ、オレだって怖いわけじゃないからな!」

 少年が胸を張って震えた声を上げた。

「守る者が少ない方が楽で良い」

 フォローするように発したのだが、少年はそれにカチンときたらしい。

「オレが邪魔だってのか!? バカにすんな!」

 ああ、そういう風にもとれるか……と少年の言葉に感心した。

 この展開からいくと嫌な予感が脳裏を過ぎる。