ナイトメア・ホルスター

 医学書を読んで解ったのは、彼の刺し方は人体の構造に基づいているものだという事だ。

 もちろん、あんな場所で死人を出す事も問題を大きくする要因であったためだろう。

 全てが洗練され無駄がない。

 他の傭兵たちは、彼に近づくために頑張っているのだろうか。

 そこまで考えて弾倉(マガジン)を抜き、何も入っていない黒い塊に目を細める。

 ベリルが予備に持っているカートリッジが入るだろう、それを考慮して持っていたと言っていい。

 リビングに戻ると、腕を組んで待っていたベリルが視線を向けた。