「なあ、あの本見せてよ」

「あの本? ああ……」

 引き出しからミリタリー雑誌を取ってベッドに投げる。

「あの銃さ、ホンモノなんだろ?」

「弾薬(カートリッジ)は入ってないよ」

「なんでさ」

 訊かれて声を詰まらせた。

「さあ、なんでかな」

 傭兵になりたと思うのに弾薬を詰められない。

 それが何故なのかは、アザムも考えてみたが解らない。

「ねえ、お菓子とか無いの?」

「! そういえば無いね」

「ええ~?」

「じゃあ買いに行こうか」

 立ち上がってサイフを手にし階下に降りる。