「でも、僕もレイに裏切られたと思って憎んでしまったから、おあいこだよ」

「! それは……間違ってないじゃないか」

「違うよ。レイが僕を逃がしてくれたことに気がつかなくて、目先のコトだけで判断してたんだ。それでは大切なものを見落とすコトになるって、ベリルが教えてくれた」

 僕はレイを父だと思ってるよ……静かに発した言葉に目を細める。

「そうか」

 何もかもを背負って2人は親子になった、それは確かな絆だ。

「なにか思ったら、すぐに言ってくれないと解らないよ。僕たちは血が繋がってないんだから、お互い言葉を交わさなきゃ」

「ああ、そうだな。うん、そうだ」

 少しずつでも親子となって行ける……そう思える。

 2人は絆を確かめるように抱き合い、笑みを浮かべた。