ナイトメア・ホルスター

「僕たちはベリルに監視されてる身なの」

「なんだよそれ!」

「まあまあ……」

 鼻息荒い少年を両手でなだめ、再び食べ始める。

 監視されているというのは、おおよそ間違ってはいない。

 彼が本気でそう言った訳ではないが、アザムを引き取る事に気弱だったレイを叱咤するための口上(こうじょう)だ。

 一度は金のためにアザムをテロリストの取引に利用しようとした己にその資格があるなどとは思えず、ベリルの言葉に躊躇した……しかし、だからこそアザムにふさわしいのだとベリルは感じたのだ。

 己の命を賭してでも守ろうとした想いは真実──犯した罪を償う方法がアザムを引き取ることならば……と了承した。