ナイトメア・ホルスター

「あのっ、ベリル……」

「なんだ」

 トゲのない物言いで発した。

「僕も相談したいことがあるんだ」

「!」

 レイは少し驚いて瞳に憂いを含ませた。

 やはり自分に相談はしてくれないのか……

「ホントは先にレイに言おうと思ったんだけど、2人がいる時に言いたいから」

 アザムの言葉に、レイは伏せていた瞳を上げて再び驚く。

 その感情を見抜かれたのか、ベリルの瞳がこちらを一瞥してニヤリと笑ったように見えた。