ナイトメア・ホルスター

「そうか。奥方の病状は」

「投薬治療を続けて、最終的には手術になると思う……」

 苦い表情を浮かべるロメオから視線を外し、しばらく沈黙したあとグラスをテーブルに戻してゆっくり立ち上がった。

「良いだろう。契約は破棄せず保留という形を取る。料金はひと月プラス500ドルだ」

「!? そ、それは有り難いが……しかしっ」

「私の知り合いに良い医者がいる。良ければ紹介しよう」

「……っベリル」

 男は何も言えず、顔を伏せて肩を震わせた。

 その様子を見やり、アザムは口を開く。