ナイトメア・ホルスター

「! 父ちゃん!」

 飛びつく息子を抱きかかえ、頭を優しくなでつけてアザムに視線を移す。

「迷惑をかけてすまなかった」

「いいえ」

 愛想笑いで応えて表情を険しくさせた。

「あの……っ」

「うん?」

 ドアに足を向けた男を引き留める。

「あなたは専属の仲介屋と聞きましたが……」

「ああ、そうだよ。といっても、専属の奴は少ないけどね」

「え、そうなんですか?」