ナイトメア・ホルスター

 しばらくして玄関の呼び鈴が鳴り、現れた男はやや気遣い気味な視線を向ける。

「すいません、サムの父のロメオです」

「! ああ……」

 なるほど、サムは父親に似たようだ、髪と瞳の色だけでなく顔つきもどことなく似ている。

 男性を家の中に促し、リビングに案内した。

「元気なようだな」

「! ベリル……迷惑をかけたようですまん」

 ソファに腰掛けたまま発した彼に苦い笑みを返す。

「サムは……」

「2階のアザムの部屋にいます。上がって右です」

「ありがとう」

 礼を述べ階段を上がった。