「のんびり構えていれば良い」

「しかし……っ」

「彼は立派に成長している。お前の成したものだ」

 その言葉に、なんとなく照れくさくなって頭をかいた。

「親だからこそ相談しにくい事もある」

「!」

「お前は父親だよ」

 紛れもなくね……彼の声は雨が地面に染みこむように、深くレイの心に刻まれていく。

 あの事件から7年、長かったようにも短かったようにも思える。

 曲がりなりにも親子と呼べる関係になったのかどうかは今もって解らない。

 親というものは皆、こんな風に焦ってしまうものなのだろうかと苦笑いを浮かべた。