憧れていないと言えば嘘になる。

 不死である彼だからこそ出来た荒技もあったが、彼が語ってくれた言葉や感情は充分にアザムを傭兵へと駆り立てる要素となった。

 このことは誰にも話していない。

 ベリルに言えばどうなるのか……きっと彼は両手を挙げて歓迎はしてくれないだろう。

 共に戦う仲間がいる事は心強く感じても、助けた人たちが同じ道を志す事には賛成したくないんだと思う。

 僕をテロリストたちから助けてくれたレイにもまだ話せない。

 ベリルに言われたとはいえ、僕を養子として引き取って育ててくれているし医者としてのレイも尊敬しているけれど。