少年は髪色よりも明るいブラウンの瞳を白黒させていた。

「ベリルに会わせろ!」

「どうしてだい?」

 胸を張って声を張り上げた少年に問いかける。

 すると少年は喉を詰まらせて青年になりつつある少年を見上げた。

「まだ名前聞いてなかったね。僕はアザム、君は?」

「オレはサムウェルだ!」

 短い黒髪に青い瞳、年の頃は10歳くらいだろうか。

 プリントTシャツに短パン姿で、肩にはスポーツバッグを提げている。

「サムか。どうしてベリルに会いたいのか教えてほしいな」

「おまえには関係ない!」

 なんともまあ扱いづらそうな子どもだな……僕もあの頃はこうだったのかな?
 アザムは昔を思い出し、フッと小さく笑った。