だけど、
きちんと話さなきゃ。



それに、航太たちはヤクザの息子である暁たちと仲良くしてるから、…もしかしたら受け入れてくれるかもしれない。


そう思うと緊張が少し和らいだ。






「あっ、来たみたいだよ、三人とも」


「お待たせ!
月夜やっぱり撒くの早いね〜」


「慣れてっし。
しょっちゅうやられてたら、早くなるっしょ」


「えっ、いつも着けられてんの!?」


「あー、まぁ、な…」






黒蝶総長であるんだから、当たり前。


いや、黒蝶メンバーになった時からずっと。


No.1を狙ってる奴らばっかだからな〜。





「バイクテクは月夜うまいし、なんでも完璧すぎなんだよね、ほんと。
羨ましすぎ」


「言えてる!」


「あのさ、そろそろ話聞きたいんだけど」


「あぁ…、」





組のことだよなぁ…。






「中、入って話そう。
長くなるから」


「わかった」






幹部室に入ってから、しばらくみんな黙り込んじゃった。


たぶん、なにから話せばいいのか、とか迷ってるのかな。


來希たちは、私たちが口を開くのを待ってると……。