「……聞こえてたよ。
暴獣が、ね。
とにかく、どうやって行く?」


「それだよな…。
強行突破すっか?」


「どんだけ組員がいると思ってんの。
2人じゃ無駄っしょ」


「…窓からこっそり?」


「靴は?」


「………………」






じゃあ、どうすりゃいいんだよ!


たしかに強行突破は出来る気がしないが…。






「若!
紅蓮組らが来ました!」


「………ちっ」





もう来たのか。

……ん?


――――――――。



いいこと思いつーいた!





「理人、行くぞ」


「え、でも…。
……あ、そか、うん、わかった」





理人も私の考えたことが分かったんだろう。