「理人、暁たちの案内頼む。
俺は勤を案内するから」


「了解」






勤を連れ、先にこの部屋を出て行った月夜は少し雰囲気がさっきよりも和らいでいた。






「―――なんでそこまでするのか、って思ってるでしょ」


「…あぁ」


「僕もね、初めて会ったときは驚いたよ。

月夜は優しすぎるの。
仲間にはすっごく優しいし、一般人にも優しい。

月夜は自分の目を疑わないからね」







〝優しい〟…、そう言ったのは理人だった。


まるで昔を思い出し、懐かしい目をしながら呟くように……。



そうだ、理人の言うとおり、月夜は優しいんだ。

誰に対してでも。



通り名である〝優鬼〟がまさにピッタリ。





「さあ、部屋に行こう」






―――――――…
―――…
―…