ピピピ…、



私の携帯が鳴った。


こんな時になに?


携帯のディスプレイには、『莉央』





「どうした?」


『……っ、暴獣が攻めてきた』


「…―――っえ!?」


『今さっき…っ、突然来たんだ』


「―――状況は?」


『向こう300、こっち50。
向こうは道具使ってきてるけど、今んとこ互角』




暴獣っていうのは、全国的にはさほど有名ではないけれど。


黄狼と同じように汚い手を使うことでは有名。


昔からちょっかい出してきていたけど、最近はなかったのに。



今までの間は、準備期間だったってわけか。



でも、…これから食事会だっていうのに。




そうは思ったけど。


私は、…――総長だ。
仲間を守らない総長がどこにいる。





「すぐそっち向かうから待ってろ!」


『…ああ!』





迷うことなど、ない。


早めに終わらして、食事会には途中から参加すりゃいいだけの話。



親父たちはダメだ、と言うかもしれないが、………そんなん知らねえ。