強引に私の腕を引っ張られる形で結愛さんたちの部屋から出されてしまった。


暁はまたムスッとした顔のまま無言。

部屋からもう出たというのに私の腕を離さなくて。





「暁。
腕、離してよ」


「…………」





私がそう言ったら、無言のまま離してくれた。



部屋の前についた時、暁がふと私に目を向けて、





「お袋が言ったことは全て忘れろ。
……いいな?」






と、睨んでくる。


よっぽど恥ずかしかったのだろう。



未だに頬の赤みがとれてないのだから。


それがなんとも可笑しくて可笑しくて。



クスッと笑った私を、訝しげに見る。





「じゃあ、おやすみ、暁」


「……おやすみ」






去っていく暁の後ろ姿を横目に私は案内された部屋で眠りについた。