すぐに杉田の番号を調べてくれた藍にお礼を言い、さっそく電話してみた。

―――んだけど。






「……出ねえ」






何コールしても出ない。


仕方なく切ろうとしたとき、もしもーし、となんとも軽い返事が聞こえた。






「でんのおせえよ」


『ごめん、ごめーん。
で、だれ?』


「……はあ。
優鬼、つったらわかる?」


『月夜くん?
俺の番号知ってたんだ』


「まあな。
で、明日の待ち合わせ場所変えてほしい」


『なんで〜?』


「お前のせいでうちの総長たちにバレてんだよ」


『あは、そうなんだ〜』





……キレても、いいですか?


何コイツ!
むかつくったらありゃしない。

軽すぎだろ!?






「……。
で、萩谷‐ハギヤ‐公園知ってるか」


『知ってるよ。
あのおっきな公園でしょ?
黒蝶の地域内にある』


「そう。
そこに変えてくんね?」


『なんでそこ?』


「実家の近くなんだよ。
今ちょうど実家にいるし」


『ん〜、まぁ、いっか〜。
いいよ、そこで』


「じゃ、そーゆうことで」


『あぁ、そうそう。
和食、洋食、中華どれが好き?』


「は?
…洋食だけど、なに」


『りょーかいでっす!
じゃ、また明日ね〜』






………、切りやがった。


ほんと何なんだ、アイツ。
意味わかんねぇ。



ご飯の好みきいてどうすんだよ、ったく。