そんなこんなで時間はあっという間に過ぎていき、夜の10時を回った頃。


真那さんは酔いつぶれて眠ってしまった。





「ったく真那は…。
わりぃな、月夜」


「いや、…あぁ、うん」


「泊まってくか?」


「いや、帰るわ。
寄りてえとこあるし」


「そ。
海翔、お前は?」


「眠いから泊まってく。
ヨル、送る」


「送りいらねえ。
道覚えてるし、大丈夫だから」


「ん」






海翔たち兄弟に別れをつげ、私はある所に向かってバイクを発進させた。


まあ、ある所っていっても、いつもの黒蝶の溜まり場なんだけど。