太陽の国
ヒュペリオン



その国では王は絶対的存在……





太陽の恩恵を受けるヒュペリオンの首都、ヘリオポリス


その王宮の高みから、街を見下ろす人物がいた

降り注ぐ太陽の光りを弾き返す輝く金髪、蒼天の碧い瞳は強い光りが宿っている
端整な顔立ちは今、きつく寄せられた眉根で切れるような鋭さを増していた



「胸くそ悪い!」



窓際に寄りかかり、悪態をつく二十歳ほどの青年の目には首都ヘリオポリスに入って来る一団が映っている



「そんな風に言うものではありませんよ」



ため息をついて青年を見つめるのは三十代ほどの男性

「煩い!セドリック、お前は悔しくないのか!?」