太陽王と月の少女




自室に戻りヘリオスは乱暴な動作でソファーに座る



「何なんだアイツは!?」


続いて入って来たセドリックはため息をつく


「言葉を慎んで下さい。嫌味を逆手にとられてどうするのですか?」


「……うるさい」



ヘリオスはばつが悪そうに視線をそらす
その姿に苦笑してセドリックは呟く



「にしても、まだ若い方でしたね。顔立ちも少女のようでしたし」


「確かにな。もっとジジイがくるかと思った」



十六歳、その歳でもう神に一生を捧げる誓いをしているのだ……ヘリオスには理解など出来ない世界だ



「まぁいい、アイツのいる離宮の警備はちゃんとかためておけ。それから先王支持派の連中も探らせろ」


「かしこまりました」



ヘリオスはため息をつく
多分アイツとは馬が合わない

そんな奴とコレから何かと会わなければならないのだ
ため息ぐらいつく




だが………確かに嫌味で馬鹿にしたのに、あの漆黒の髪と銀の瞳色が頭から離れなかった