太陽王と月の少女




「ええ、これから一生滞在させられるのです。十分用心させていただきます」



ピクリと、ヘリオスが表情をかき消す
セドリックも少し表情を曇らせる


髪の色のことはヘリオスがただ嫌味で言っただけだが、襲われるというのがいけなかった


今回、神官である彼がこちらに来たのは、ヒュペリオンの先王がアルテミスと問題を起こしたからだ


かなり深刻な状況にまで発展したが、先王が突然亡くなったため戦争にはならなかった
だが、そのせいで連れてこられたようなものなのだ


今のヘリオスに王権は移ったとはいえ、先王の支持派も少数残っている
過去に神官が暗殺された例もいくつかある


簡単に神官を失えばヒュペリオンは多大な犠牲を払わねばならない



「……そうだな。これは重要な外交だ。だから、貴殿の身の安全はこの俺が保証しよう」



ヘリオスは透き通るような銀の瞳を見据える
神官セレーネはヘリオスを注意深く観察するように見ていた



「……そのお言葉、信じさせていただきますよ?」







緊迫した雰囲気のままヘリオスとセレーネの対面は終わった