躊躇した……
受信BOXの飛翔くんの名前の所についているメールのマークを押すことに。
きっと、このボタン1つであたし達は何かが変わってしまうような気がして……
それでも、あたしの心臓の鼓動は速さを増すばかりで、ちっとも言うことを聞いてくれはしない。
息をのみ、小さくため息を吐くと、ボタンを押す。
………っ!!
《俺もだよ》
真っ白い画面に綴られたたった4文字の言葉。
それに思わずわたしの手は口元にいき、震えが止まらない。
涙さえも零れそうで、思わず唇を噛みしめ上を向いた。
《飛翔くんが好き……》
なんの戸惑いもなしに、気がついたら返信ボタンを押して、送信ボタンを押していた。
好き……
好き……
飛翔くんのことが、あたし好き……
言葉にしてしまったら止められなくなって、込み上げてくる。
それでも、あたしの心は嬉しい気持ちと共に罪悪感が伸し掛かり酷く痛い……
《俺は何も言っちゃダメなの?》
《うん、何も言わないで》
すぐに送られてきた飛翔くんからのメール。
そしてそれにすぐに返信する。
飛翔くんが好き
狂おしいほどに好き……
だけど、あたしは飛翔くんと気持ちが重なることなんて考えていなかった。
飛翔くんの想いなど、あたしには関係なかった。
それほど、自分の抱えた想いが大きすぎて、
自分でも不思議で……
相手の気持ちとか、そんなのどうでもよくて……
ううん、違う。
あたしはきっと……
気持ちが重なってもどうにもならないことを分かっていたからだ。



