《最近、おかしいんだ…飛翔くんが頭から離れないの》


ゆっくりと並べられたその言葉たちに偽りなどなかった。


未来のない恋愛


始まることさえないあたし達……


思えば、こうして自分の気持ちを相手に自ら伝えることなんて今までなかった気がする。


いや、初めてなんだと思う。



誰かに気持ちを伝えることが、こんなに苦しいなんて


そして切ないものだなんて……



自分が打ち込んだ文字を眺めていると、胸が苦しい。



送信ボタンに親指を置いてあるのに、なかなか押すことさえできない。



メールって本当に便利なものだと心底思う。


これが、目の前にいて口頭であるのであれば、きっとこんな苦しい思いを伝えることはなかっただろう。



送信しましたーーーー



小さな機械に託した言葉たちは一瞬で飛翔くんへの元へと届けられた。



その瞬間、窓の方へと視線を移す……


夜が明けようとしている。


《あっ、明るくなってきたよ~!!》

《そろそろ寝るか!!》


いつもなら、必ずそんな会話のやり取りをしている頃だっけ。



なのに、今日あたしの手の平の中にある小さな携帯は、あたしにそんな楽しい会話を運んでは来ない……



暫くして、黄色いランプが点滅し始めると共に、あたしの心臓はとてつもない速さで動き始めた。