《なに?》
その殺風景なメールに思わず息をのんだ。
これで終わり。
楽しかった夜が明けるまでのメールも
パチ屋の前で話し込んだあの光景も
コンビニの前で話し込んだあの時も、全てあたしの中に閉まってしまおうと思った。
二度と開けることもないだろうし
そして、いつか時が経てば、あれはただの錯覚だったんだ。
って自分なりに浄化して、今までのあたしに戻る。
ううん、やっぱり夢の中の出来事だったに違いないなんて思って
儚い夢は徐々に記憶から消えていくんだ……
それでいい。
それでいいんだ……。
いつもは返信ボタンから出す真っ白い画面。
この時ばかりは新規作成のボタンを押して、その画面を見つめた。
思えば、毎日、毎日、この画面にあたしは言葉を並べて飛翔くんと繋がっていた。
毎日、必死に……
それを見つめながら、一つ、一つ言葉をゆっくり並べていく。
《何も答えなくていいから、何も言わないで…》
何も聞きたくない。
何も答えないで欲しい。
このまま夢から覚めなくなることも怖い。
夢を見続けることも怖い……
《はぁ??マジなんだよ?わかったから!!》
すぐにあたしの元に届いた飛翔くんからの返信メールを見て、
あたしのメールを待ってくれているんだと思うと、そんな姿を想像するだけで、胸がしめつけられて鼓動が速さを増していく……



