《なんか、ごめん……》


《いや?俺も力が入りすぎた》


自分の醜さに嫌気がさした。

飛翔くんの真っ直ぐさ

綺麗な心……

それが、卑怯だと思った。



それでもみんな何かに怯え、傷つき、不安や苦しみを抱え生きている。


あたしだけなんかじゃない。


飛翔くんだってそう。


何かを抱え生きているんだ……


それでも何処か、あたしは、そんな綺麗ごとなどないと鼻で笑った。


本当の愛とか

永遠とか


そんなものあるはずがないと思っているから。



それでもあたしは確かに飛翔くんを好きになってしまった。


ずっとなんて分からない。



それでも……このあたしが再び誰かを愛おしいと思うことができた。



叶わなくてもいい


傍にいたいなんて、そんな贅沢なことは言わない。


だけど、この好きという感情を再び抱えたことを飛翔くんに知って貰いたい。



嘘だと思われるだろう


遊びだと思われるだろう



それでもいいから伝えたい。



自分でもビックリしているこの感情を
伝えて残しておきたいと……




《ねぇ?1つだけ聞いてくれる?》



そして、これで夢の世界にいるあたしは、後悔することもなく現実に戻れる気がするから。



再び誰かを愛することが出来たということ、あたしが人間らしく戻れた数週間。



送信しましたーーーー



その画面を見ながら、大きく深呼吸してゆっくり吐き出した。