飛翔くんを見たとき
汚れていない真っ白な人だと思った。
真っ白な世界にいる人……
真っ黒な世界にいるあたしは
輝かしくて
美しいとも思った
飛翔くんの持ち合わせている白は
少しだけあたしの真っ黒な世界に光を差し込んでくれて
あたしはその光の方へ導かれ、わずかな隙間から
そっちの世界へ行ってみたいと近づいたの。
だけど、眩しすぎた。
暗闇の中にずっと居続けているあたしは
その白い世界へ足を踏み入れることに恐怖を感じたの……
だけどね、次の瞬間、目を開けたら
その光はどんどん小さくなっていたんだ。
あたしの居場所はやっぱりここだと思った。
飛翔くんを黒色に染めてはいけない、もうこれ以上……
そしてやっぱり
あたしは白い世界に行けることもない。
少しだけ白い世界に行ってみたいと思った自分は
やっぱり許されることはなかったんだ……
飛翔くんは白
あたしは黒
きっと交わることも、重なることもないんだ……



