疲れた……
今日はいつも以上に……
帰ってきてから、お風呂に入る元気もなく、あたしはソファーに倒れこんだ。
《お疲れ~》
携帯を開けば飛翔くんからのメール。
それにすぐ返信をする自分。
飛翔くんだってきっとそうだろう……
あたしの全てを知ったら、彼はあたしの傍から消えていく。
それでいい……
それでいいじゃない。
あたしは一体、彼に何を求める?
旦那もいて、子供もいて、それを隠して、彼の隣で笑っていようとでも思っているのか。
そんな都合のいい話……
《いや~今日は気分がいい!スロット買ったよ~》
《そうなの?やったじゃん!!テンション上がるね~》
いつもの他愛のないメールのやり取り。
きっと、今日もこうして2人朝まで繋がろうと必死なあたし達。
飛翔くんは何にも不審に思わないのだろうか?
店のあと、一緒にいたっておかしくない。
昼間だって、遊んだっておかしくない。
それをずっと拒否し続けてもう1か月以上が経とうとしているのに……
《なんだか、今日の流奈、変だよ?》
《そんなことないよ!ただ、ちょっと疲れているだけ》
どうやら荒井さんの言葉たちが妙に今日のあたしに突っかかってくる。
受け流してしまえばいいことも全て、あたしにぶつかってくる。
《なぁ、流奈?》
《なに?》
《誰かを好きになると、なんだか全てが変わったりするよな》
きっと、あたしのメールの内容の何かが引っ掛かったんだろう。
いつもそんなこと言わない飛翔くんが、あたしにこんなメールを打ち込んでくることはそうそうない。
深いため息を吐き出すと、真っ白い画面に文字を打ち込んでいくあたし。



