もはや、立っていることすら今のあたしには不可能で、その場で座りこんでしまうと中西くんがそっと肩を抱いて外へと連れ出してくれた。



「冷めたってメールで送ってきたの!!別れてくださいって!!なのになんで……」



「聞いて?流奈ちゃん」


「いやぁ~!!もう嫌だ……」


「アイツだって苦しんでるんだ」



力強いその言葉に、中西くんを見上げると、今にも涙を流しそうな顔をしている。


どうして、中西くんがそんな顔をするの?


どうして、飛翔くんはあたしの傍から消えてしまったの?



飛翔くんが苦しい?


苦しいのは、いきなり別れを告げられたあたしの方なんだ……




「聞いてくれる?」




「アイツは、俺が辛い思いをすればいいって言ったんだ…俺だけが苦しめばいいって……」



聞いてくれる?って問いかけておきながら、答えもなしに話し始めるなんてフライングだ



ズルイと思った。



そんな話しをあたしにすれば、飛翔くんの気持ちが浄化できるとでも思ったのであろうか



逆に、辛くて、もがくばかりなのに……



「やめて…もう、やめてよ!!!」



「アイツに幸せになって欲しいって、だから離れる辛さを選ぶって……」



「幸せ……?あたしの幸せは……」



これ以上は言ってはいけないと、こんな状況でも頭に過ったのは、少しだけまだ冷静さを保っている自分が残っていたからなのだろうか、



「アイツの傍だったんだろ……?」



その言葉に、あたしは顔をあげると、やっぱり中西くんは今にも涙が零れおちそうな悲しい顔で……



「なんか、ありがとね」



そう言うと、自分の力で立ち上がった。