「ママ~っけいたい、なってるよぉ~!!」


その言葉に携帯に目を移すと、黄色いランプが受信を知らせている。



もう、このホタルもあたしの前に姿を現すこともなくなるのだろう……



だけど鳴り続けるその曲は、飛翔くんと同じもので、これから悲しい現実を受け止めなきゃいけないって時に少しだけ笑顔にしてくれるものだった。




『流奈ね、この曲は飛翔くんだけの着信音にしてるんだぁ~!』


『うっわぁ~!マネすんじゃね~よ!!』


『なにが?』


『俺も流奈の着信音はこの曲なんだよぉ!!』


全く、流奈はいつも真似する……



そんなことを言いながらも、その曲が車の中で流れている時、嬉しそうに顔がゆるんでいた飛翔くん。




幸せだったね、あたし達……





そっと取り出した携帯を開けば“新着メールあり”と教えてくれていて、あたしはメールマークのボタンを押すと飛翔くんからのメールを開いた。