「ママ、おはよ!!」


ぼーっとしていると2人が駆け寄ってきてあたしにおもいきり抱きついてくる。



「おはよう!パパはお仕事かっ」


「そうだよ、明日はお休みだけどね」


「やったぁ~!!」


そんな風に喜んでいる子供を見てしまえば、あたしは本当に何が不満なんだろうと思ってしまってやるせなくなる。



それでも飛翔くんを求める……



最低でも、最悪でもいい……



飛翔くんを失ってしまえば、あたしはあたしでなくなるような気がするから。



なのに現実はやっぱり残酷で、そんな自分とも、もうさよならなんだろうと思ってしまうのは、目の前に置かれている携帯の黄色いランプを見つめながら。


自然と携帯に手が伸びていて、それを開いたとたん、あたしはその場に座り込んだ。



《話しがあるんだけど、言っていい?》




カウントダウン



その言葉は、あたしが夢から目覚めることを予告しているようなもの。




あたしが夢から覚めた時、夢の中の内容もはっきりと分からないように記憶があやふやになっていてくれるのだろうか……



あたしが聞きたくない!!と言ったら、飛翔くんの心の中にある今の想いは、消えてしまうのだろうか……



そんなことを考えているのに、あたしは返信ボタンを押すと《いいよ》そう送ってしまったいた。




ここで泣きすがった所で、あたしは飛翔くんが求めていることを叶えてあげることはできないのだから



いやだ!!と飛翔くんを求めても、きっと同じことの繰り返しで傷つけてしまうだけ



そんなことを思っているはずなのに、本当はまだ夢から覚めたくないと心が叫んでいる



飛翔くんの傍にいたいと体が求めている